初めて部下をもったリーダーの方、初めて部下をもった管理職の方。
この記事を読んでいる人の中にも、該当する人は多いのではないでしょうか。
初めて部下ができた時は、嬉しい気持ちもありながら、その反面プレッシャーや不安を感じている人もいるはず。
・部下の将来が自分にかかっている
・部下から嫌われたらどうしよう
・部下とはどんな会話をしたらいいのだろう
・部下からどうすれば信頼されるのだろう
・部下を育てるには何をしたらいいのだろう
色々なことを考えてしまう、そして今でも考えている方も多いのではないでしょうか。
少なからず私は初めて部下ができた時、プレッシャーの方が多かったと記憶しています。
最初に自分が受けもった部下は8名で、自分より年下でキャリアも短い人はたった1人。あとは全員10歳以上も年上でした。
また、他の部門では部下が20名以上、しかも全員女性だったこともあります。
さらには、100名近くの部下を抱えたこともあります。
今回のブログでは初めて部下をもつ新人上司の方へ、自分より年上の部下ができた場合や大人数の部下がいる場合など、どのように部下指導をしていけばいいのか。
上記の点について私の経験も含めて書いていこうと思います。
部下指導を任されたリーダーや管理職の方が、部下と一緒に成果を挙げられることを願っています。
部下指導が上手い人/そうでない人の大きな違いとは

部下指導が上手い人が心掛けていることは、部下指導だけに力を入れている訳ではありません。
どういうことなのか。少し考えてみましょう。
普段は、部下とのコミュニケーションが一切なく、仕事の指示をしたい時だけ指示をする上司がいたとします。
「この報告書だけど、明日までに誤字脱字が無いかチェックしておいてくれる?」
また、日頃から部下とのコミュニケーションが取れていて、仕事以外の時間でも関わりがある上司が指示を出したとします。
「この報告書だけど、明日までに誤字脱字が無いかチェックしておいてくれる?」
どちらも同じ指示内容です。
部下からすれば、普段からの関わりがある上司の方が気分良く指示を受けられるのでは無いでしょうか。
すなわち、部下指導が上手い上司は、部下指導をしやすくするための行動を日頃からしていることになります。
部下は、上司であるあなたの言動行動や人柄、性格などを見ていないようで見ていたり感じているという事を知っているか否かにあります。
部下指導をする5つのポイントについて

部下指導をするためにやっておきたいことは、部下をよく観察することです。
ひとり一人、性格も考え方も違うので、まずはよく観察してどのような人なのか。どのような仕事をしているのか。とにかく徹底して観察してみましょう。
部下のことを何も知らないままでいると、上司だけの考えや思い込みで判断をしてしまいます。つまり、部下に必要な判断を間違えてしまうことにも繋がります。
部下にどのように接していけばいいのかという仮説を立てていくことが大事です。
ここからは、具体的に上司がどのような部下指導をしたらいいのかを解説していきます。
部下の話をよく聞くこと
部下ができた時には、必ずやっておきたいことです。
部下が複数いるなら、できればひとり一人と時間を取って話を聞くことです。
部下が考えていることや気になっていることを聞いて、上司として何ができるのかが分かるだけでなく、部下はあなたが話を聞いてくれる人なんだという印象を持ちます。
あなたが本気で聞いてあげる姿勢を作り、真摯に向き合えば部下は必ず話をしてくれるはずです。
ここで大事なことは、部下にとってあなたは仲間であることを認識してもらうことです。
部下の能力、スキルを把握すること
マネジメントが得意も上司もいれば、新しいアイディアや発想をすることが得意な上司もいます。
このように、上司にも得意なことや武器となるスキルがあるように部下にもあるはずです。
部下の良いところを見つけるつもりで把握していきましょう。
なぜなら、部下の能力やスキルを知ることで、部下へ任せる仕事も決めやすく結果が出やすいためです。顧客管理や数値管理が得意な部下なら、データの集計や分析などを任せることで、必要な時にすぐに用意してもらうことができます。
つまり、自分でやるよりも効率よく生産性も上がるのであれば、得意な人やスキルがある人に任せた方がはるかにいいのです。
もう一ついい事があります。
それは、部下からすれば「自分の長所、良いところを伸ばしてくれている」という上司への信頼をもってくれることにもなります。
部下が目指すゴールを一緒に決めていくこと
部下がこの会社でどうなっていきたいのか。仕事を通してどのような姿になっていきたいのか。
ここを踏まえて、一緒に目指すゴールを決めていくことは重要です。
なぜなら、ゴールが明確になるから人は進む方向が分かるものです。
辛いことは、自分がやっている仕事が何に繋がるのかが不明確だったり、ただ単にストレスだけが増えてしまいます。
仕事で経験して学んだことが、今後の自分にどのような価値をもたらしていくのか。
上記の点が明確になりメリットがわかれば、仕事へのやる気や意欲は高まり主体的に動くきっかけになります。
だからこそ、上司の一方的な要望だけで指示命令を出すのではなく、部下の目指すゴールと関係があることを示しながら働きかけをしたいところです。
部下の性格、タイプを把握すること
性格やタイプを完璧に把握することは難しいかもしれませんが、普段の仕事ぶりに加えて社内での姿勢や立ち振舞い、会話などを通して把握していくことです。
・褒めることで伸びるタイプ
・難しいことにチャレンジさせることで伸びるタイプ
・情熱が高いタイプ
・負けず嫌いなタイプ
・分からないことは質問してくるタイプ
部下の性格やタイプなどが把握できると、部下にあった伝え方や働きかけの方法が分かってきます。あとは状況やタイミングなどに応じて、試行錯誤しながら指導方法を変えていきます。
ここで伝えたいことは、いつも同じ方法で誰に対しても同じ方法の部下指導は無いということです。
部下に興味や関心を持つこと
ここまでご紹介した4つのポイントは、最後にご紹介する「部下に対してどれだけ関心を持てるか」で出来るかどうかが決まります。
誰でも興味関心がない人に、何かをしたいとは思えないはずです。
一般的には、家族でもなく友達でもなく、あくまで会社という場所に限定された部下です。
しかも「あなたが一緒に仕事をしたいと指名した人」でもないのです。
その部下に対して、どうやって興味関心をもてばいいのでしょうか。
ここで、上司と部下を一つにして同じ方向性に向かわせてくれるものがあります。
それが、会社の経営理念やビジョンになります。
部下が目指すこと、上司が目指すこと、そして会社が目指すこと。
これが密接に関係していくからこそ一つになれます。
方向性をともに共有するためにも、部下と共有する時間を徹底して増やすことです。
仕事でのコミュニケーション、報告連絡相談を徹底、議論する時間、行動をともにする時間。
このように関わる時間を増やし、お互いをよく知ることです。
最後に|部下指導に正解はなく正解を求める繰り返しが重要

新人上司の方にぜひ試していただきたい部下指導を5つに絞ってご紹介してきました。
「これならいつもやっているよ」と思う方もいらっしゃるはずです。
しかし、もしそれでもうまくいってない事があるとしたら、もう一度振り返ってみてください。
部下と真剣に向き合って話を聞いているか。部下の能力やスキルを把握しているか。
目指すべきゴールは明確にしているか。部下の性格や人間性はどこまで理解しているか。部下に対しての興味関心、愛情はどの程度あるのか。
そして、すべてに共通するのはお互いの信頼関係が作れているかどうかです。
分かっていても、上司になった途端に「自分の上司としての仕事や責任感」に翻弄されてしまい見失っていることがあるかもしれません。
どんな素晴らしい上司も、必ず新人時代があり苦労の連続だったはずです。
身近にいる先輩上司の言動行動をぜひ注意深く観察してみても、必ずこの5つを押さえているはずです。
ぜひ、部下との信頼関係を作りながら部下指導に力を注いでいきましょう。
人の教育には終わりはありません。そして正解もありません。
大事なのは、必要な人に必要とされる指導や教育をすることなのです。