事務職の人でも、会社の業績に貢献できる仕事術5選

ビジネススキル

営業は花形の仕事だ。
お客様が求めるシステムを構築しているエンジニアは貴重な戦力だ。
お店に人が多く来てくれるのは、徹底したサービス力が売りのカスタマースタッフだ。

どの業種にも、やはり会社の売上を大きく担っている人たちがいます。
その人たちの仕事のおかげで、売上がたち利益が出ている。

でも、この数字ではっきり分かる売上を出している人たちもいれば、決して数字には見えにくいけど、売上に貢献している人たちが、どの会社にも必ずいます。

今回の記事では、主に会社の総務、経理、人事などの社内で仕事を多くやっている人たちをピップアップして書いてみたいと思います。
社内で仕事をしている、一般的に事務職と呼ばれる人たちが、これからも会社の業績アップに貢献していくための仕事術を5つに絞って書いていきます。

会社の業績アップに向けて事務職の目標とは

定量目標と定性目標について

例えば、人事で採用を担当している人であれば、来年度の新入社員は20名が目標というように、数値での目標があります。
経理を担当している人であれば、今月の経費は前年よりも◯%削減するなどの数値目標もあるかもしれません。

しかし、必ずしも数値での目標を設定していない部門もあるのではないでしょうか。

「この報告書をいつまでに仕上げて上層部へ提出する」
「社員が提出してきた有給申請をミスなく処理する」

一見、ルーティンワークのように見られがちな仕事であったとしても、そこにはミスなく正確な作業効率が求められたり、人と協力して進める仕事も数多くあるはずです。

このように数値目標と数値で測れない定性目標があります。

他部門の人たちが仕事をしやすい体制や環境を整えてくれている事務職

営業部が営業に没頭できる。
エンジニアがエンジニアの仕事に没頭できる。
製造担当者が、商品の設計や開発に没頭できる。

このようなことも、会社にいる事務所の方たちが“皆さんがやらなくてもいいこと”をやっていてくれるから出来ることであって、もし事務職の方がいなかったとしたら。

こう考えてみると、普段は目に見えないけど、誰かがやらなければいけない重要なことをやっているのも事務所の方たちです。
各部門が、いわゆる本業に没頭できる環境を整えているのは、このように事務所の方の存在があるからだと言えます。

一度、事務所の方が、どんな時に何をしているのかを知ることもいいのかもしれません。

【明日から出来る】事務職の方が出来る業績アップ仕事術とは

会社のイメージを作りあげる電話対応

事務職をしている方は、基本的には内勤で仕事をしていることが多いと思います。
会社にかかってくる電話や代表アドレスに届くメールチェックは、事務所の方が行うことも多いと思います。

ここでは電話対応について触れてみたいと思います。

新入社員のマナー研修などで、電話対応を学ぶことが多いのではないでしょうか。
例えば、3コール以内に出るとか、最初の第一声など、細かく学ぶことも多いと思います。

特に初めて電話をかけてきた人からすれば、最初に電話に出た人の印象で、その会社のイメージが作られます。
ここに一つ事例を出します。
どちらのパターンも、そのお客様から初めて電話を受けた時です。

Aパターン


社員「お電話ありがとうございます。◯◯(自分の会社名)の△△(自分の名前)と申します。」

お客様「お忙しいところ恐れ入ります。私、◯◯の△△と申しますが、本日、□□部長はいらっしゃいますか?」

社員「□□は、今、席を外しておりますが・・・」

お客様「あ、そうですか。では、また改めてかけ直します。」

社員「わかりました。よろしくお願いいたします。失礼いたします。」

続いてBパターンを見てみましょう。

Bパターン


社員「お電話ありがとうございます。◯◯(自分の会社名)の△△(自分の名前)と申します。」

お客様「お忙しいところ恐れ入ります。私、◯◯の△△と申しますが、本日、□□部長はいらっしゃいますか?」

社員「大変申し訳ございません。□□は、只今席を外しております。」
  「私でよければ、ご用件を承りますがいかがいたしましょうか。」

お客様「ありがとうございます。実は、先日のお打ち合わせの件だったので、また改めてかけ直します。」

社員「かしこまりました。では、△△様から先日のお打ち合わせの件でお電話があった旨、□□には私から伝えます。必要であれば、□□からお電話をさせていただくかもしれませんが、その際にはご都合が良い時間帯などありますか。」

お客様「今日でしたら17時以降なら繋がると思います。」

社員「かしこまりました。では、お電話が可能な時間も合わせて伝えておきます。」

お客様「よろしくお願いします。」

社員「本日はお電話ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。」

どちらもよくある電話の流れだと思いますが、Aパターンは部長が席を外しているのでどうするかを、相手に委ねています。
しかしBパターンは、部長が席を外しているからこうしますがいかがですか?とお客様には「同じ内容の電話をしなくてもいい」ことを伝えて負担をなくしています。
そして、部長が席に戻った際には、お客様から打ち合わせの件で電話があったことを伝えられるので、部長もある程度の予測を立てつつ次の行動に移せます。

なおかつ、電話を出るところから切るまでの対応が良ければ、相手が受ける印象も良くなります。

電話一つでも、関係している人すべての仕事がスムーズに進むようにでき、しかも会社のイメージアップにもつなげることがたくさんあります。

会社のイメージを作りあげる来客対応

言うまでもなく、お客様が来た時にどのような対応をするかで会社の印象が変わります。

・お客様は、時間を割いてわざわざ来てくれた
・お客様には、来てよかったと思ってもらいたい
・お客様には、また来たいと思ってもらいたい

相手に矢印を向けることで、どのような対応をするかを考えてみたいところです。

たった一言
「ようこそいらっしゃいました。○○様、今日はお待ちしておりました!」と伝えるだけでも
相手の印象は変わります。
相手との関係構築が上手くいくかどうかも、このような対応ひとつで変わることもあります。

事前にどこの誰が来るか分かっている場合は、ぜひ名前を意図的に呼んで
あなたに会えて良かったという気持ちを伝えたいものです。

見えない相手をイメージしたさりげない気配り

アナログな話で恐縮ですが、例えば書類を封筒に入れて郵送で出すとき。
封筒に書類を入れ封をするときに、全部ベタっと糊付けをするよりも、右の端っこの部分には糊をつけずに少し折っておく。
すると受け取った人は、右手で封を剥がしやすくなる。

私は以前、このような封筒が事務所に届いたときに、中身を気にせずにハサミで切って開けたことがあります。
すると、書類の上の一部分まで切れてしまったことがあります。
よくみると、上記のような“気配りの細工”がしてありました。

まだ見えない相手が、あたかも封筒を切る場面が見えているかのように気配りをすることで、受け取った側に湧き上がる感情は、決して忘れられることのない感情になります。

いかに、見えない相手に対する気配りを、いつも心掛けていくかで、実は仕事ができる社員だと評価されます。
特に内勤で、仕事の効率化を図ったり、人に必ず見られる仕事をしている事務所の方には覚えて実践してもらいたい仕事のやり方です。

まるで相手と対面しているかのようなメールのやり取り

デスクワークが多い事務所の方には、メールでのやり取りも多くあるのではないでしょうか。
文章のみでのやり取りは、決まった定型文やフォーマットでも要件のやり取りは可能ですが、せっかくなら人間味のある文章で、あたかも対面して話をしているようにしたいです。

親しいお客様とのメールであれば、少し親しみを込めた書き方に変えてみたり、追伸として最近あった出来事をほんの少し書いてみたりするのもいいかもしれない。

もちろん、状況や相手に応じて使い分ける必要がありますが、いつも堅苦しいメールになるよりは、相手との距離感も縮まるはずです。

そしていざ対面した時に、このメールでのやり取りによって会話がグッと広がるのです。
会話が広がることで関係が深まる。結果的にビジネスの話が上手くいきやすくなります。

常に人に見られている意識と、周りに与える影響力を知ること

最後にお伝えしたいのが、社内の雰囲気、イメージを作り上げているのは、事務所の方の影響力が大きいということ。

例えば、デスク周りが散らかっている、書類が山積み、身だしなみが崩れている、パソコンに向かっている姿に覇気を感じられない。
このような雰囲気があると、一気に社内の空気は悪くなります。

社内での職場環境や風土みたいなものは、社内にいる人たちが作り上げているものです。
会社の空気を良くする、雰囲気を良くすることは、他の人に与える影響力にもなり業績にも繋がります。
事務職の方だけではありませんが、社内で仕事をすることが多い方には、ぜひ会社のイメージ作り、社風作り、雰囲気作りも自分たち次第だ、というくらいの気持ちがあってもいいでしょう。

人は案外見ていないようにで見ているものです。

【まとめ】 事務所は会社の根幹を支えている

管理部、人事部、総務部。他にも会社の根幹を支えている部門があります。
特に、人に関する業務を担ってる事務職の方は、表だった動きは見えづらいかもしれません。しかし、会社にとってなくてはならない存在。
売上を作り利益を出す。働く社員さんが成果を出すための根底を作り出しているのは間違いありません。

どの仕事にも必ず大事な役割があるので、改めて自分たちの使命や役割は何かを見つめ直してもいいと思います。