部下との付き合い方に、ちょっとした“違和感”を感じている上司の方は、案外私だけでなくもしかしたら多いのではないでしょうか。
特に世代が違うと言われる若者との感覚の違いみたいなものを、日々感じていることはありませんか。
私自身、30代後半の時には、20代前半の部下(しかも女性)20数名いた時がありましたが、言葉ではうまく表現できない違和感を感じたことが多々ありました。
それは、ただ話が通じないとか、話をしている話題が分からないとかではなく、何となく感じる距離感というか。
言葉ではうまく表現できない、何とも言い難い違和感なのです。
今回のブログでは、私と同じように言葉でうまく表現できない違和感、感覚を感じている上司の方、部下を持つ方へ書いていきたいと思います。
これからの仕事での付き合い方に参考になれば幸いです。
年齢が離れていても同じ人間。だからこそ同じ欲求を持っている
人の欲求が求めているものは
アメリカの心理学者、アブラハム・マズローが考案した「マズローの欲求5段解説」というものがあります。
1番初めにある欲求が生理的欲求(食べたい、寝たいなどの生きていくために必要な本能的な欲求)
2番目にある欲求が安全欲求(安心を得たい、安全に暮らしたいなどの欲求)があります。
次にあるのが社会的欲求、そして承認欲求と呼ばれる欲求が続きます。
この欲求は、世代や価値観が違っていても、皆同じように求めていると思います。
どういうことかというと
自分はこの組織にいることが重要な人物なんだ、ということを感じたいと思っている。
あなたは重要な人なんだ、というのを部下にも感じてもらうことが大事です。
ではこれをどのように伝えていけばいいのでしょうか。
仕事で本来求めている欲求を満たすことがポイント
部下であるAさんに、この組織で重要な人物なんだと感じてもらうためには、仕事を通して感じてもらうことです。
場所がお互いに会社であること、そして共通の仕事をしているとから、まずは仕事を通じて部下の本来ある欲求を満たすことが非常に重要なポイントになります。
部下とのうまい付き合い方。上司がやるべきことは?
上司と部下で決めた仕事の目的を共有すること
では、仕事でどのように感じてもらうのかというと、まずは目的を共有することが重要になります。
どうしても人と人とが会話をするときは、日本語のズレが生じることがあります。
この関係だから、このような言い方でも通じるだろうと思って話をしていても、通じないことや微妙にズレてしまうことがあります。
そうなると、あれ?これをやっている目的はなんだっけ?という事にもなり得ます。
これを無くすために、いつも上司と部下でこの仕事をしている目的は何かについてを確認し合うことが必要です。
これをすることで、部下からすれば「自分は、この組織で大事な存在だから、これだから目的を確認しているんだな」という気持ちになっていきます。
何について話をしているのかを明確にすること
部下と話をするときに、上司は何について話をしているかを明確にすること。
どんなに付き合いが長くても、どんなに親しい関係になっていても忘れてはいけないポイントです。
例えば一つの事例として、このような事例があります。
花瓶に生けてある花を見ているとします。
上司は、花瓶全体を見ている。でも部下のAさんは、花びらを見ているかもしれない。
部下のBさんは、花瓶の模様を見ているかもしれない。
同じものを見ていると思っても、細かく見ればそれぞれ違うところを見て、違うことを感じ取っていることがあります。
会話でも、この例のように「なんとなく今はこの話をしているんだな」と分かっていても、上司も部下もどこにウエイトを置いて話をしている、聞いているかについてはズレがあることも多いのです。
今は、この話のこの点についてを話している。ここを明確にしていくことで、感覚のズレが少なくなっていきます。
質問をしていくこと
興味がある人には、人は質問をします。
その人の考えを知りたい、話を聞きたいというように質問したくなります。
つまり、部下が上司であるあなたにとって大事な人であること、会社にとって大事な人であることを伝えるためには、この質問をすることは効果的です。
ただ、その質問をするときに気をつける点があります。
「あれはどうなってる?」
「もう終わった?」
このような質問ばかりだと、部下は仕事の進み具合ばかりで、自分のことなんてあまり考えていないのかなと感じるようになります。
部下を思って言っていると言いながら、実は自分の評価や責任を果たすための質問をする上司は実際多いです。実は私もこんな質問ばかりしていました。
このような質問ばかりだと、話をされることそのものが部下は嫌になっていくのです。
「また仕事の話か・・・ 今度は何を聞かれるのだろう・・・」と部下は思います。
自分のことに対して一目置いてくれていると思わせるような質問が効果的です。
「今の意見について、もう少し詳しく教えてくれる?」
「そのアイデアいいね。どうしてそんなアイデアが浮かんだの?」
このように好奇心をもって質問をすると、部下も具体的だけでなく、話をしたいなと思うような質問をすると良いでしょう。
HOWやWHYを含めた質問がベスト。
部下に対するレスポンスは速くすること
私自身の感覚ですが、今の20代の方は、スマホやiPadに触れていることから、レスポンスの速さには慣れている傾向が感じます。
そして、部下からの提案や相談など、部下が興味関心を持っているうちに上司は反応を示すことがとても大事になりなす。
何か提案をされた時や、質問をされたとき。
なるべく速くレスポンスをしてあげること。
そうすることで、上司は自分に関心がある。自分の力になってあげたいと思っている。
このような感覚になりやすいはずです。
【最後に】みんなそれぞれ違う。分かり合う前に認め合うことが大事。
上司と部下の感覚が違うのは当然だと言えます。
そもそも育ってきた環境や、出会った人たちも学んできたことも違うわけです。
ですから、部下とは話が合わないとか感覚が違うという話はよく聞きますが、それはあって当然のこと。
むしろ違うからこそ、お互いに協力することで新しい知恵や発想が出てくるのです。
部下は上司から学ぶことがある。そして上司も部下から学ぶことがあります。
部下の足りないところを上司は補い、上司の足りないところを部下が補う。そんな関係の人たちの集まりならば、とても素敵な組織になることでしょう。
そのためにも、色々な人と関わることはとても大事なことです。これは部下に対しても言えることです。
このような価値観や考え方の人もいるのだなという前提のもとに、今回のブログで書いたことをぜひ実践してほしいと思います。
きっと、今までとは違った感覚で一緒に仕事ができるはずです。